ストーマ保有者の方々の体験談

一時的ストーマ、永久ストーマに関わらず、ストーマを造設することで生活スタイルが変わることもあれば、変わらないこともあります。個人差はありますが、ストーマのある生活に慣れるまでに多くの時間がかかる場合もあるかもしれません。どのように対応するかは状況によって異なります。ストーマのある生活を送られている方々のご経験を紹介するストーリーを集めました。参考にしてみてください。

レーネ

1994年から イレオストミー (回腸ストーマ)

多いときは 1 日に 28 回もトイレに行っていた

私は 19 歳のとき、結腸に慢性的な炎症が起こる潰瘍性大腸炎と診断されました。それが胃痛、腸内出血、下痢の原因でした。息子が産まれた直後の 29 歳のときは、突然体調がとても悪くなってしまいました。日によっては、多いときで 28 回もトイレに行っていました。ひどい脱力感があり、産まれたばかりの新生児の息子の世話もままならないほどでした。

このままではダメだと思いストーマを希望

あのままの状態で生活することはできず、私は入院しました。入院して 1 週間半が経った頃、病状に大きな改善が見られなかったので、私は医長との面談を求めました。病気でいることがそれ以上耐えられなくなり、ストーマを造設することを決意しました。翌日すぐに手術し、ストーマが造設されました。本当にほっとしました。胃が痛むこともなくなり、常にトイレに行くことを考えなくてもよくなったのです。

「でもお腹にストーマ袋があるなんでわからない。」

多くの人がこう言います。「でもお腹にストーマ袋があるなんでわからない。」ストーマ袋はショッピングバックほどの大きさだと思っているのでしょう。そんなことはないのです。ストーマ袋は、手の平とほとんど同じサイズです。

ハンドバッグに常に余分のストーマ袋を入れておきましょう!

ストーマ保有者には、覚えておく必要のある実用的なことがいくつかあります。「アクシデント」があったときに備えて、ハンドバッグには常に余分のストーマ袋を入れておく必要があります。ストーマ保有者のほとんどは、生活の中でアクシデントを経験しています。私は、ヒースロー空港のトイレにいたときにストーマ袋をトイレに落としてしまいました。あいにく、その時はいつものように余分なストーマ袋を持ってきていなかったのです。他に良い考えがなかったので、生理用ナプキンをストーマの上に被せました。その時はそれで大丈夫でしたが、このことから私はハンドバッグに常に余分のストーマ袋を入れておくべきだと学びました。

息子はどの母親にもストーマがあると思っていた

夫は私を常にしっかりとサポートしてくれ、私のストーマを問題として見ることはありませんでした。ある時、息子がどの母親にもお腹にストーマがあると思っていたと話しました。私はストーマを持つことをオープンにしてきました。そのことについて人に話すと、質問をしてくることがほとんどで、皆さんとても関心があるようです。オープンでいるかどうかは人それぞれですが、同僚など、周りにいる人たちが私がストーマ保有者であることを知っていた方が、物事がずっと簡単に進むように私は思います。

身体に耳を傾けて医師の指示に従う

ひどい痛みがあったり、一番近くのトイレはどこかいつも考えていたりする人は、ストーマを検討する時期かもしれません。私は長年ストーマを保有してきましたが、造設したことは正しい決断であったと確信しています。手術してストーマを造設してから、はるかに充実した生活を送っています。ですから、身体に耳を傾けて医師の指示に従ってください。