ストーマ保有者の方々の体験談

一時的ストーマ、永久ストーマに関わらず、ストーマを造設することで生活スタイルが変わることもあれば、変わらないこともあります。個人差はありますが、ストーマのある生活に慣れるまでに多くの時間がかかる場合もあるかもしれません。どのように対応するかは状況によって異なります。ストーマのある生活を送られている方々のご経験を紹介するストーリーを集めました。参考にしてみてください。

カンジ

2004年から コロストミー (結腸ストーマ)
日本

他の人と話をすることで自分のストーマの管理方法を学んだ

直腸癌と診断された時に、手術後にストーマが造設されている可能性は 80% だと言われました。医師からそれを告げられたとき、周りにストーマを抱えている人を知りませんでした。スマートについて少しの知識はあったものの、ストーマのある生活はどのようなものなのかは詳しく知りませんでした。いま思い返すと、手術を受ける前はストーマについて深く考えていませんでした。癌と診断されたことで頭がいっぱいになっていたからです。その時は大きな恐怖心がありました。

担当の医師は、手術の前日に三か所、ストーマを造設する可能性がある場所を選定しました。病院には、創傷、オストミー、失禁ケアの専門教育を受けた認定看護師もおらず、ストーマケアについての説明もほとんどありませんでした。そこで私は、ストーマ保有者の人と話をすることで自分のストーマの管理方法を学びました。

生活は手術前とさほど変わっていない

手術前と比べて生活が大きく変わったとは思いません。唯一本当に変わったことといえば、日中にストーマの日常の手入れに少し時間を取っていることくらいです。私は障害者のカウンセラーとして頻繁に他の人とコンタクトすることが多いので、以前とは違って働くときに心配になることもあります。ストーマ袋とフィルターは信頼できるものであることがとても重要です。不幸にも、私は排泄物が漏れてしまったことで恥ずかしい思いをしたことがあるのですが、そういった経験は長い間忘れることができません。営業へ向かう途中に、満員電車の中でストーマ袋の中身が漏れてしまったことがありました。次の駅で電車を降りて新しい下着を買い、ストーマ袋を交換して服を着替えなければ身動きが取れませんでした。一方で、しなければいけない状況になれば、何とかなるものということはこの時に学びました。

ストーマ袋は付け心地が良くなければならない

ストーマ袋の付け心地は私にとって重要で、肌触りが良いものである必要があります。面板は、なるべくストーマ袋を実際には付けていないと思えるくらい薄い必要があります。手術を受けてから、ヘルニアを患うようになったため、面板が薄いものを使用すると腹部の曲線に沿わせることができるのです。その他の重要な性能はストーマ袋のカバーで、肌触りが良く肌にやさしいものである必要があります。ストーマ袋は常に身に付けるものなので、付け心地が良くなければなりません。

運動はほとんどしたことはありませんが、ストーマとは無関係です。ただ私にそういう習慣がないだけです。

私の趣味は天文学で、街の灯りから離れた場所へ行って星を見ることが好きです。

タブーを破る

私は日本オストミー協会に深く関わっています。ストーマを持つ若者に向けた「20/40 グループ」のブログの管理人をしています。この活動に対する私の興味は、ストーマのケアに関する情報をインターネットで検索した自分の経験からきています。探し始めたときは、ほとんど何も見つけることができませんでした。また、ストーマを持つ若者と知り合うことも大変重要だと考えています。同協会では、Facebook や Mixi などのウェブコミュニティーやインターネットに非常に注目しています。私は、特に便などの下腹部に関するタブーを破りたいと思っています。多くの人にとって、ストーマを持つことやストーマによって生じる問題に対処することについて話すことは日常的なことではありません。私の使命は、ストーマについて大げさにすることなく、一方で人々の意識を高めることです。ストーマがあっても普通の生活を送ることは、とても簡単なことなのです。